2022年1月1日

部活動、始まります!

こちらは学園催の部活動「音楽研究部」の発表の場です。
歌曲の詳しい解説や、中宮貞子の音楽論を掲載していきます。音楽研究部内には、器楽班、映像鑑賞班などがあり、各班の研究成果も発表されます。

本学園のカリキュラムと共に、こちらの部活動もご一緒に楽しみましょう😄

2020年1月17日

楽曲解説 『清水寺』 第2話

さて第1話は如何だっただろうか?結構な昔話も含まれていた。非常にマニアックだと感じた方々もいらっしゃるだろう。今後、他の歌曲も順次解説していくわけであるが、まあしかし、毎回このようなマニアックなものにはならないつもりだ。曲によっては、面白エピソードを交えたり、気楽に読めるものも掲載していくので、今後ともご愛読頂きたい。


それでは、「清水寺」制作の続きである。

楽曲のコンセプトは決定したが、実際の作曲手順は、以下のようなものであった。

まず、ヴォイスパーカッションなどで、ドラムやベース等のフレーズをラジカセにメモ録音する。シンセのパートも声で録音した。ラジカセを数台用意して、多重録音によって出来る限りの音数を記録した。メモ録フレーズがある程度まとまり、楽曲としての構成が固まってくれば、ヤマハのシーケンサ「QY300」に入力していく。

これはもちろん、非常に手間の掛かる作業工程である。メモ録などせずに、考え付いたフレーズを直接QY300に打ち込めば良いのに、と思われるかもしれない。その上、ラジカセが登場するなど、現代から考えれば想像を絶する手法だろう。

だが私は、旋律やフレーズが頭に浮かんだ、まさにその瞬間の印象や威力・鮮度を逃さぬよう、即時に記録することにこだわっている。後でその録音を聴きながら、頭の中で組立・吟味し、「よし!コレだ!」と確信してから、初めてシーケンサで打ち込み、と言う手順で進めることが多い。考え付いたフレーズは、まず耳で実際に聞ける形にしたり、楽譜に書いたりして、そのフレーズが心に納まったと感じてから、シーケンサに入力する。
私は今もこのやり方で楽曲制作を行っている。


[第3話に続く]
次回更新予定日は1月31日(金)

2020年1月3日

楽曲解説 『清水寺』 第1話

作曲開始 1996年
Key = F#マイナー


これから数回に渡り、歌曲「清水寺」が出来た経緯についてお話しする。かなり昔の事にも言及するので、令和の時代からすれば、想像がつかないようなことも多いかもしれない。そこは温故知新・または未知への遭遇といった気持ちでご一読いただければ幸いである。

清水寺の作曲を開始した頃、1996年~98年の音楽シーンでは、ヒット曲と並行する形で、日本でもテクノやトランス等のジャンルが盛んになっていた。様々なダンス系のオムニバスアルバムも多くリリースされ、華やかに時代を彩った。私もその盛り上がり具合は好きではあったが、単に流行りに乗っただけの作品も多かった。それらはダンスフロア等で流れる分には最適だったかもしれないが、私は、じっくりと聴き込めるようなダンス系サウンドを求めていた。

しかし、探せど見付からない。
無いものは自分で作るしかない。
そこで、「自室で集中して世界観に浸れる」ことに特化したダンス楽曲の制作を始めることとなった。

その当時、私は普通の4人組ロックバンドで活動していた。
「清水寺」はお聴きの通り、打込系・四つ打ちタイプなので当然、ロックバンドで演奏出来るタイプのものでは無かった。せっかく作ってもそのバンドでは演奏されることはない。しかし、テクノを作りたい!と言う情熱は抑えられず、今思えば、まだテクノを作れるような環境が整っていない状況から作曲を開始した。
コンセプトとしては、通常は西洋的な要素を持つダンス曲に、東洋風の旋律を基礎とし、歌詞も漢字の音を主体としたものを取り入れると面白いのではなかろうか、と思い立ち、そこからスタートした。


[第2話につづく]
 次回更新予定日は、2020年1月17日(金)